メンタルヘルス・心理学
2011年12月03日

心の国のアリスより 見方を変える。・・・三浦綾子のエッセー「感謝夫人」より

 

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見方を変える。・・・三浦綾子のエッセー「感謝夫人」より

 「氷点」で有名な三浦綾子さんのエッセーの中に「感謝夫人」というものが

あります。

三浦さんは旭川の住人ですが、その旭川で、三浦さんの友人に、「感謝夫人」と

呼ばれる方がおられ、その方は何があっても「ありがたいことですね。神様に

感謝ですよね。」というのが口癖でした。そのため仲間うちでは「感謝夫人」と

呼ばれているそうです。

三浦さんの住む旭川で、ある年の夏の一番暑い時に、20日間連続して雨が降

りました。旭川の人はたちは、寄ると触ると「長雨は困ったものね。洗濯も乾か

ないし」と言い合っていたそうです。

 そんな中で、ある人が「こんな長雨に対しても、彼女はありがたいと言える

のだろうか? どのように言うか聞いてみたい。」と考えました。

 その友人は、その感謝夫人に向かって「本当に困ったものね。20日間も長雨

が続いて。洗濯物も乾かないし、農家の方は牧草が育たないと言って困ってい

ます。本当にどうしたものでしょうね。」

 そうしたら、感謝夫人はにっこり笑ってこう答えたのだそうです。「ありがた

いことですね。神様に感謝ですね」と

 

 

 

 ではここで、みなさんも考えてみてください。どう考えたら感謝できるのか。

答え

感謝夫人の解釈は、「この長雨を、もし一日で降らせたならば、川が氾濫して、

多くの人が困ったでしょうね。限りなく優しい神様は、この長雨を20日に分け

て降らせてくださったのですね。ありがたいことですね。神様に感謝ですね。」

と言ったそうです。

 この解釈、頭が下がります。私も考えましたが分からなかった。完敗です。

 

 

 

 さらに三浦さんのエッセーでは、これだけでは話がとどまっていません。

三浦綾子さんは、結核菌が脊椎に入って、脊椎カリエスという激痛が伴う病気に

罹っていました。脊椎カリスマは激しく背中が痛み、その激痛は相当なものだ

そうです。その上、晩年にはパーキンソン病にも罹られたそうです。

 この感謝夫人の話を聞いた三浦さんは、「もし意気地なしの私に、この脊椎

カリスマの痛みが一挙に押し寄せてきたら、私は耐え切れなくなっていただろう。

限りなく優しさを持っている神様は、その意気地のない私に対して、20年に

分けて痛みを分散してくださったのですね。だから私は耐えることができました。

ありがたいことです。神様に感謝です。」と考え、愚痴や泣き言を言わなかった

そうです。

 あれがつらいとか、これがつらいとか、人は嘆いたり愚痴を言ったり、泣き言

を言ったりしますが、このように物の見方、考え方を変えると、何事に対しても

肯定的に前向きにとらえることができます。

確かに人には、不運に思えることや不幸に思えることは起こります。ただ、そ

れをそのまま自分は不幸だ、ついていないと考えることもできますし、感謝夫人

や三浦さんのようにとらえるか、どちらが幸せに思えるかは理解できますね。

物の見方を変えて幸せを呼び込みましょう。

 

 

 

日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー 八濱 雅彦

 

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