心の国のアリスより 見方を変える。・・・三浦綾子のエッセー「感謝夫人」より
自分らしく生きるための心理学講座48
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見方を変える。・・・三浦綾子のエッセー「感謝夫人」より
「氷点」で有名な三浦綾子さんのエッセーの中に「感謝夫人」というものが
あります。
三浦さんは旭川の住人ですが、その旭川で、三浦さんの友人に、「感謝夫人」と
呼ばれる方がおられ、その方は何があっても「ありがたいことですね。神様に
感謝ですよね。」というのが口癖でした。そのため仲間うちでは「感謝夫人」と
呼ばれているそうです。
三浦さんの住む旭川で、ある年の夏の一番暑い時に、20日間連続して雨が降
りました。旭川の人はたちは、寄ると触ると「長雨は困ったものね。洗濯も乾か
ないし」と言い合っていたそうです。
そんな中で、ある人が「こんな長雨に対しても、彼女はありがたいと言える
のだろうか? どのように言うか聞いてみたい。」と考えました。
その友人は、その感謝夫人に向かって「本当に困ったものね。20日間も長雨
が続いて。洗濯物も乾かないし、農家の方は牧草が育たないと言って困ってい
ます。本当にどうしたものでしょうね。」
そうしたら、感謝夫人はにっこり笑ってこう答えたのだそうです。「ありがた
いことですね。神様に感謝ですね」と
ではここで、みなさんも考えてみてください。どう考えたら感謝できるのか。
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答え
感謝夫人の解釈は、「この長雨を、もし一日で降らせたならば、川が氾濫して、
多くの人が困ったでしょうね。限りなく優しい神様は、この長雨を20日に分け
て降らせてくださったのですね。ありがたいことですね。神様に感謝ですね。」
と言ったそうです。
この解釈、頭が下がります。私も考えましたが分からなかった。完敗です。
さらに三浦さんのエッセーでは、これだけでは話がとどまっていません。
三浦綾子さんは、結核菌が脊椎に入って、脊椎カリエスという激痛が伴う病気に
罹っていました。脊椎カリスマは激しく背中が痛み、その激痛は相当なものだ
そうです。その上、晩年にはパーキンソン病にも罹られたそうです。
この感謝夫人の話を聞いた三浦さんは、「もし意気地なしの私に、この脊椎
カリスマの痛みが一挙に押し寄せてきたら、私は耐え切れなくなっていただろう。
限りなく優しさを持っている神様は、その意気地のない私に対して、20年に
分けて痛みを分散してくださったのですね。だから私は耐えることができました。
ありがたいことです。神様に感謝です。」と考え、愚痴や泣き言を言わなかった
そうです。
あれがつらいとか、これがつらいとか、人は嘆いたり愚痴を言ったり、泣き言
を言ったりしますが、このように物の見方、考え方を変えると、何事に対しても
肯定的に前向きにとらえることができます。
確かに人には、不運に思えることや不幸に思えることは起こります。ただ、そ
れをそのまま自分は不幸だ、ついていないと考えることもできますし、感謝夫人
や三浦さんのようにとらえるか、どちらが幸せに思えるかは理解できますね。
物の見方を変えて幸せを呼び込みましょう。
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー 八濱 雅彦
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